2017/09/30
その慢性症状、原因は胃酸不足かも?

こんにちは。
胃の不調で病院に行くと、逆流性食道炎ですね、とか、胃潰瘍ですね、とか診断されて胃酸を抑える薬などを処方されます。
当院のクライアントさんにもそういう方がいらっしゃいますが、これでは問題の解決にはなりません。そして、内臓機能の問題は慢性疲労など様々な身体症状の原因となりえます。
胃の概要
胃液は、1日に1~3リットル分泌され、主成分は蛋白質分解酵素であるペプシン、胃酸(塩酸)、粘液からなっており、中でも胃酸の分泌は、自律神経やホルモンなどで調節されています。胃酸には以下の相があります。
- 脳相…「ある刺激」が脳を介して副交感神経にスイッチを入れる。その結果、唾液・胃液・膵液が分泌される。
- 胃相…食物が胃に達すると、ガストリンというホルモンが分泌されることにより、胃酸分泌を促す。
- 腸相…食物が、胃から十二指腸に移ると、セクレチンとコレシストキニンというホルモンが分泌されることにより、膵液と胆汁が分泌される。胃での役割が終わると胃酸の分泌が抑えられる。
あと大事になるのが各消化管から出る消化液のpHです。
胃酸の分泌が中途半端だと、胃の中は強酸状態になれず、弱酸性くらいに収まってしまいます。そうなるとペプシンが活発に働けなくなるので活性化されるペプシン量が減少します。
必然的に、その先の膵臓から出る消化酵素の分泌量も減少するため、セレクチン(消化管ホルモン)の分泌も悪くなり、腸管中のpHは理想的pHになりません。その結果、腸内の消化酵素の活性が全体的に低下してしまいます。
消化液の分泌は食事前から始まっている
ではなぜ、胃酸の分泌が中途半端になってしまうのでしょうか?
問題は上記の脳相領域にあります。
消化液は食事の前から分泌されます。
脳相の説明の「ある刺激」とは、食事の事を考えたり、見たり、匂いを嗅いだりなどの感覚器官からの刺激のことです。こういった刺激が入り体は消化の準備を始めます。
しかし、多くの労働者世代の方はバタバタしているため、数分で食事を済ませたり、仕事を片手に食事をしたりと、身体の食事の準備が出来てないまま食事をしてしまっています。
中には、その日の昼に何を食べたか忘れてしまったという方もいたりします。
身体も心も食事に全く意識が向いてません。
これでは唾液や胃液の分泌が不十分で、その中で食事をしても消化不良を起こし様々な問題を起こします。
胃酸不足によって起きること
- 感染
- 消化不良による栄養素吸収障害
- 栄養素欠乏による様々な不定愁訴の原因に
消化が不十分だと腸で必要な栄養素を吸収できず、そのまま排泄されてしまいます。せっかくバランス良く食事を摂っていても様々な栄養素欠乏をもたらし、それに起因した症状や病気を引き起こしたりしてしまいます。
腸管の蠕動運動(食物を運ぶ運動)も低下しますから食物は発酵しガスが出て膨満感を感じたり便秘や下痢の原因にもなったりします。
栄養素を吸収する腸管に炎症が起こると、吸収過程で本来吸収されないものまで吸収されてしまうため、それが原因で各種アレルギー症状などを起こしたりもします。腸は免疫系の要とも言われており、アトピーや今流行りの花粉症などのアレルギー症状などがある方は、腸内環境を整えることが大切になってきます。
胃酸不足の兆候とは
- よくげっぷが出る
- お腹にガスがたまる感じがする
- 食後の胸やけ
- 便秘や下痢
- 爪が弱く割れやすい(縦にスジが入っている)
- 食欲不振
- 疲れやすい
これらの症状に思い当たる節のある方は、もしかしたら胃酸不足が潜んでいるかもしれません。
胃酸不足の対処法
レモン水を飲みながら食事する
胃酸とレモンの酸度は近いので、胃酸不足の方がこれを実践すると不足分を補足できたりします。
やり方は、生のレモンを半分に切りコップに絞り、絞ったレモン汁に対して3倍の水で薄めます。
夕食時、そのレモン水をチビチビ飲みながら食事します。
レモン水を用いて食事をし、数時間後に胃のスッキリ感を覚えた方は普段、胃酸不足傾向の可能性が高いです。逆に、胃の不快感を覚える方は胃酸は足りてる状態だと考えられます。(胃酸不足があるかどうかのチェックにもなりますね)
胃酸不足の方は是非試してみてください。
胃酸を中和させる食べ物に気をつける
菓子パンやケーキ、ベーキングパウダーを使った食べ物には胃酸中和作用があります。
ストレスマネジメント
長期間ストレス下に置かれていると自律神経系の均衡が乱れ、交感神経優位となり胃酸などの消化液の分泌が抑制されてしまいます。
One drop整骨院はこういう問題にキネシオロジー検査などを用いて、症状が何から来ているのか?どんな対策が必要なのか?
をクライアントさんの身体の反応を見ながら調べて対処、対策していきます。人によって方法は様々なので長期間悩ませられている慢性症状にはこういった検査で調べてみるのもいいかもしれません。
最後に
「食事は五感で楽しむ」と言われますが、五感で脳を刺激して消化吸収の準備をしてあげて、よく噛んで食事する。食事の時は食事に目を向け食事を楽しむ。
労働環境や家庭環境の問題で難しい部分ではありますが、自律神経系の観点から重要なところです。まずは少しでもいいので、食事をしているという認識をしてあげるといいと思います。